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The ArcGIS Imagery Book: 第 7 章

時間の次元を持った画像

世界で最も素晴らしいタイム マシン

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時間の経過順に表示される時系列画像は、時間を追った比較を体系的に行えます。大災害の前後の様子や、歴史的景観の再現に加え、数週間、数か月、数年、数十年の間に見られた変化の監視や予測など、時間旅行のような幅広い用途が可能になります。この章では、時間の経過に沿った動的処理について調査します。

経時的な変化を捉える

画像を通じ、躍動的な地球の姿を見る


変化に満ちた地球に関する理解を深めるため、私たちは情報を時系列で把握し、過去を可視化し、現在を理解し、将来的な傾向を見通せるよう努めています。たとえば、地球科学者たちは時系列の衛星観測を使用し、毎月の降水パターンを監視しています。雪塊氷原の面積や、冬の間に高緯度地域や極域から雪塊が南下し、夏の到来とともに消滅していく様子などもこれに含まれます。また、科学者たちは衛星で観測された時系列データを通じて干ばつを監視し、 気候学者たちは、今後の気候傾向を予測するモデルを適用しています。コンピューティングや GIS が発展する中で、時間ベースの機能が新たに開発され、応用されています。このような流れとともに、画像が持つ時間的な側面の重要性が認識されつつあります。私たちは変化に富む世界に生きているので、GIS がそれを反映するのも当然のことなのです。そこで画像は重要な役割を担っています。

時間的な点を考慮しなければならない用途は数えきれないほどあります。山火事の範囲を視覚的に示すには、空撮作業を何回も実施し、火災が発生している周辺地域をクローズアップした熱画像を収集する必要があります。山火事は急速に変化するため、空撮作業は 1 日に数回行われます。反対に、森林伐採を観測するには、広い範囲を長期間にわたって網羅する画像が必要です。森林伐採は長い年月をかけて行われるからです。

継続的な地球観測

一方、センサーから未加工の情報が大量に取得され、このような難題の対処に役立てられています。継続的な観測を行う衛星プラットフォームは (政府でも民間でも) 爆発的に増加しており、そのどれもが地球の観測データを収集しています。継続的な観測を行うために設計された衛星のいくつかは、一定の期間ごとに同じ地域を撮影します。Landsat、MODIS、GLDAS、Sentinel、SPOT、RapidEye などはその例です。Landsat 8 は、16 日 (回帰日数) おきに地球上のあらゆる場所を再訪します。MODIS は 1 ~ 2 日おきに観測データを収集し、地球を網羅します。このようにして衛星プラットフォームは定期的に観測を行っているのです。

経時的な変化を捉えましょう。

私たちは、時間的な変化が起こっている真っ最中に、その変化を認識します。たとえば秋から冬、昼から夜への移り変わりなどです。しかし、画像は人間の認識を模倣しながらも、時間的、空間的なスケールをさらに広げることができます。時間対応の画像は、個人の時間や空間をも超越するようなことに疑問を呈し、答えを見出す力を与えてくれます。

地球が抱える重大な課題は、さまざまな時空間スケールで発生しています。

時間の種類

不連続、周期的、連続的


時間は、直線的に捉えられることもあれば、周期的に捉えられることもあります。直線的な時間の場合、始まりと終わりがはっきりしており、不連続、連続的、または周期的な時間単位で表現できます。連続的な時間を捉えた画像の一例には、動画が挙げられます。周期的な時間とは、何度も連続して起こる出来事を捉えたものです。毎日観測される気象は、周期的な時間の一例です。

連続

米国の干ばつの状況の変化を対話形式のインターフェイスで提供する Esri Drought Tracker アプリは、直線的な時間で変化を検出できます。水不足がさらに深刻になると農作物にも影響が及ぶため、自発的な節水が必要となります。深刻な干ばつは農作物や家畜を壊滅させ、農地が枯れ果ててしまいます。土地が雪解け水や降雨などの恵みを受けない時期が長くなればなるほど、干ばつやその影響もさらに深刻になります。

周期的

このマップは、NASA の Blue Marble: Next Generation 画像を利用しています。これらの画像は、MODIS 衛星から地球を 500 メートルの解像度で月に 1 枚撮影し、組み合わせたものです。毎月撮影された画像を見ると、地表における季節的な変動がわかります。北米やヨーロッパのような温暖な地域で植生の緑が濃くなり、徐々に枯れていく様子、熱帯地域の雨季や乾季、北半球の積雪の増加と減少などです。

不連続

画像や GIS ベースの可視領域分析では、南北戦争のゲティスバーグの戦いのいくつかの転機を、北軍と南軍の指揮官の視点に立って見ることができます。全景を見ると、どの指揮官が何を目にして決断を下したかがわかります。垂直方向のタイムラインに示される転機をクリックすると、指揮官が取った行動や、それに応じた戦況を確認できます。

歴史的画像


画像は、過去を最も効果的かつ印象的に捉える方法の 1 つです。歴史的画像は、変化を捉えるためのベンチマークとして、地球の貴重な資源の管理についてより適切な判断を下すために役立てられています。GIS 技術は古地図や古い写真に地上から、上空から、あるいは宇宙から、新たな命を吹き込みます。

古地図のスキャン画像

紙の地図をスキャンすると画像に変換できます。スキャンしたものは地理的な座標を付加することができ、他のレイヤーと同様に GIS で利用することができます。古地図は解析に背景情報を与え、変化を捉えるための基準となります。USGS には、世界最大のコレクションがあります。

1891 年から 1963 年にかけ、ニューオーリンズの湿地帯で行われた大規模な宅地造成は、USGS が所有する古い地形図のスキャン画像を見ると一目瞭然です。

歴史的航空写真

このような画像は、気球や航空機、最近ではドローンで撮影されており、 地勢を平面的に (鳥瞰図で) 捉えることができます。初の航空写真は、19 世紀後半に撮影されました。

1970 年と 2010 年にドバイ上空で撮影された画像。この油田地域における劇的な成長がわかります。

歴史的地上写真

画像を捉える方法として、初めて使われたのが写真です。歴史的写真には、GIS 解析用の背景情報や視点が詰まっています。100 年前に撮影された場所をもう一度撮影して画像を比較すると、どのような変化があったかがわかります。たとえば、USGS Repeat Photography Project がコロラド川沿いで行ったような取り組みです。

コロラド川のカタラクト渓谷で USGS が撮影した写真 (左: 1889 年 5 月 31 日撮影、右: 1997 年 3 月 24 日撮影) では、外来種のチートグラスが増殖している様子がわかります。

地球の変化のモデリング


数多くの地球観測衛星が、指定地域の上空を毎日通過し、時系列の画像を撮影しています。たとえば、気象衛星は 1 日の天候をほぼリアルタイムに捉えます。一方で、GLDAS をはじめとする衛星の多くは、地球の全地域の上空を日々通過し、地球に関する非常に重要な観測を行っています。

興味深いことに、画像の時系列の結果を計算するには、地球の物理プロセスの多次元コンピューター シミュレーション モデルが使用されており、これによって衛星が通過するまでの間の様子が補間されています。他のモデルでも、歴史的な状況をシミュレーションして過去の出来事を再現したり、将来の状況を予測することができます。

USGS や NOAA などの政府機関は、検索可能な画像のアーカイブを大量に保管しています。衛星画像の履歴を通じ、地球上で起こった地震、火災、悪天候の影響を監視できます。

これは、ハリケーン カトリーナの勢力を示す赤外衛星画像をアニメ化したものです (2005 年作成)。白い部分が最も勢力が強く、赤、緑、青と続きます。

GLDAS 土壌水分データは、干ばつや洪水などの水循環を地球規模でモデリングする際に役立ちます。干ばつや洪水は現在、人間だけでなく、幅広い生物多様性にも大きな影響を及ぼしています。

過去に関する調査


画像を通じて、過去の風景をデジタル的に再構築することができます。1 枚の歴史的画像を基に、ある場所の過去を調査することも、複数の歴史的画像を使用して、時空を経た変化をより細かく見ることもできます。

一連の画像や古地図を、時系列に集成写真として整理すると、過去の風景同士、または過去の風景と現在の様子を比較する際に特に便利です。

アラル海の縮小

かつては世界最大の湖の 1 つであったアラル海は、アラル海に流れ込む川が綿栽培の灌漑のために取水されていたことから、1960 年代から徐々に縮小してきました。中央アジアに位置するこの塩湖の様子を、1990 年に Landsat 衛星が撮影した画像 (左) と 2015 年に撮影された画像で比較すると、数十年の年月を経て水の表面積が著しく縮小していることがわかります。現在、アラル海は元の面積の 10% ほどしかありません。

シカゴ大火前のシカゴを覗き見る

"What Did Chicago Look Like Before the Great Fire?" (大火前のシカゴの様子) と題された、Smithsonian 誌に掲載された記事では、地物が時空を経て変化を遂げた様子が、歴史的画像からわかることを示しています。オンライン版の読者は、埋め込み型のストーリー マップを利用し、1868 年のシカゴの簡易地図と最新の航空画像を比較するサービスが提供されています。スパイグラスを使用し、2 枚のマップを比較します。火災によって生じたがれきから、湖岸に新しい造成地が作られた様子を探索しましょう。

オピニオン リーダー: Greg Allord

古地図は過去への窓を開き、将来に向けた背景情報を提供


私は長年にわたり米国地質調査所 (USGS) で勤務していましたが、その間、優秀な地質学者、水文学者、エンジニア、水質専門家、イラストレーター、エディター、地図製作者の仕事を支援し、観察し、多大な敬意を抱いてきました。地図製作者の芸術的才能や精密さや、印刷媒体の時代の到来、解釈的科学、地理的範囲など、私たちのチームが手掛けてきた地図や出版物の内容は幅広い人々に愛されてきました。

米国の環境、科学、文化を研究している多くの組織は、設立から数十年前が経過していますが、中には、米国建国の数年後まで遡るものもあります。136 年の歴史を誇る USGS は、地質、地形、水質、生物的な資源の研究に尽力してきました。私も、光栄なことにその一員として勤務してきました。USGS でも、手作業で行ってきたことが、デジタル探索の時代の到来とともにデジタル製図への期待が高まり、マップの共有も可能になりました。

司書からは、このようなハードコピー印刷を残しておくだけでは不十分なため、これからはカタログ化して保管する必要があると聞かされました。効果的な保管プロセスを通じ、オリジナルの画像を捉えることも可能になりました。これは特に、従来の紙の地図や報告書にとってメリットがあります。その結果、http://pubs.er.usgs.gov では USGS が発行した 130,000 本以上もの科学刊行物にアクセスできるようになり、http://nationalmap.gov/historical/index.html では 175,000 件もの地形図にアクセスできるようになりました。地形図は、ArcGIS Online でも活用できます。研究者や科学者たちがこれらの地図や文書を使用できるようになっただけではありません。幅広いユーザーが、その美しさや重要性を認識し、実感できるようになったということです。

USGS などの機関が制作した古地図は、過去への扉を開くだけでなく、明日への背景情報も提供するのです。この情報を誰がどのように利用するかをすべて予測することは不可能ですが、ArcGIS Online や Living Atlas を通じて古地図のアーカイブにアクセスできるようになったことで、過去をより深く理解し、現在を管理し、将来の計画を立て、共有することが可能になりました。

古地図のコレクションを見る
元 USGS 地図製作者の Gregory Allord 氏は、175,000 件もの USGS 地形図をスキャンし、地理座標を付加して GeoPDF ファイルにすることで、USGS や一般ユーザーがオンラインで無料で利用できるようにする取り組みを主導しています。

古地図のコレクション


古地図は、GIS に重要な観点を与えてくれます。過去の世界の様子を明確にし、形にしてくれるのです。地図がなければ二度と訪れることができない場所を目にすることを可能にし、 現在と過去、そして未来を比較するための枠組みを提供してくれるのです。古地図の優れた点の 1 つとして挙げられるのは、現在の地図や情報に統合できることです。実際には、新しい種類のレイヤーとして GIS に追加できます。これは、古地図をスキャンしてデジタル化し、地理座標を付加することで行われます。この地図は、実質的に GIS の新しい種類のラスター レイヤーとなり、さまざまな用途での活用が可能になります。

1787 年のアフリカ

この地図は、1787 年前後のアフリカの多数の地図を編纂した画像で、当時のすべての州、王国、共和国、地域、島が含まれており、 現存しない多くの地名や国境を示す有名な地図です。

1942 年の戦局

1942 年に ナショナル ジオグラフィックが発行したこの地図は、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアの戦局を示します。「Western Front Map Embraces Three Continents」(3 つの大陸を包囲する西部戦線図) という記事で使用されていました。

ピッツバーグの地図と史跡ビューアー

このサイトでは、ピッツバーグの歴史と、150 年前からの劇的な成長を検証しています。スライダーを使用するか、年を選択することで、経時的な変化を見ることができます。

David Rumsey Historical Map Collection (デビッド・ラムゼイの古地図コレクション)

デビッド・ラムゼイ氏の素晴らしい古地図コレクションを探索できる Web サイト。67,000 点以上の古地図を観賞できます。

Landsat はタイム マシン

継続的な地球観測を行う初の衛星


Landsat は、独自の方法で地球を観測します。世界のあらゆる場所の画像を撮影して、森林破壊のパターンから農業の傾向、火山活動から都市のスプロール現象まで、地球に隠された秘密を明らかにします。Landsat プログラムがセンサーで撮影を開始したのは 1970 年代のことで、現在は Landsat 8 ミッションで継続中です。地球のあらゆる部分を数週間に一度撮影するため、経時的な変化を確認し、分析することができます。

画像の一般共有

USGS は Landsat のデータ プログラムを管理しており、画像を誰でも自由に使用できるようにしています。画像のコレクションは、40 年以上にわたってさまざまな Landsat センサーが撮影してきたシーンで定期的に更新されており、地球の歴史を垣間見ることができる素晴らしい画像リソースになっています。

新しい Landsat シーンは毎日撮影されています。新しいシーンが生成されると、動的に増加している画像モザイクに追加されていきます。この画像モザイクは共有データベースにあり、数百万枚もの既存の Landsat シーンが格納されています。これは、歴史的な比較を行ううえで非常に有用な情報として活用されています。

すべての事物をマッピング、測定、監視

Landsat プログラムの開始以来、世界中の政府機関が独自のミッションを立ち上げてきました。例として、MODIS、欧州宇宙機関 (ESA) のコペルニクス計画、最近では Sentinel-2 の衛星のペアが挙げられます。こうした取り組みにより、画像の収集と地球観測の共有が継続的に行われています。新しいミッションは定期的に打ち上げられているため、宇宙からの時系列の地球観測も増えています。これはまさに、地球のマクロスコープとも言えるでしょう。

古地図のモザイク

簡単にコレクションを編纂


多くの地図はそれ自身で使用されますが、中には大きな地図シリーズ、または地図コレクションの一部となっているものもあります。USGS の地形図シリーズ、洪水地図シリーズ、保険地図シリーズ、過去に実施された特殊ミッションの航空写真、デビッド・ラムゼイ氏のコレクション、ナショナル ジオグラフィック発行の豊富な古地図などは、すべて GIS を有効活用できる地図コレクションの例です。

大量の古地図コレクションを整理し、アクセスできるようにする際に有効な方法は、コレクションの画像モザイク (接合された画像) を生成することです。各地図の特性、つまりその名前、作成日、空間参照などの特徴を属性として記録し、シームレスなモザイク データセットを作成します。モザイクを使用することで、GIS で地図コレクション全体が蘇り、数多くの応用や利用方法が可能になります。

USGS Historical Topographic Map Viewer

USGS Historical Topographic Map Collection には、USGS が 1882 年の設立以来、発行してきた 175,000 件以上の地形図のすべての縮尺と版が格納されています。

スライダーを使用すると、さまざまな古地図の透過表示を変更することができます。地図を右クリックしてダウンロードし、友達や同僚と共有することも可能です。

関心のある地域を検索したり、その場所に移動して地図をクリックすると、そこに重ねてある地図のタイムラインを見ることができます。タイムライン内の地図をクリックし、表示画面に追加して探索を開始できます。

200 年分のオランダの地形図

Dutch Cadastre による作成と共有


Dutch Cadastre (オランダ国立の地図製作機関) は、オランダ全土の地図をさまざまな縮尺で毎年作成してキャッシュに登録し、それをつなぎ合わせて、履歴的な地形図のコレクションとしてまとめました。これはオランダ国民やオランダを愛する人々にとっては、2 つとない貴重な地図なのです。

オランダ人は、昔から地図製作の能力に優れています。上の図にリンクしている革新的なアプリケーションは、200 年もの歳月をかけて作成された地図を 1 つのインターフェイスにまとめたもので、左側のタイム コントロールをスライドさせるだけで比較が可能です。マウス ホイールを使用すると、拡大/縮小できます。

緊急対応型の解析

最適なタイミングと最適な場所


GIS ユーザーは、最新の状態と、数日前、数時間前の状態を比較することで、事象の結果を理解することに努めます。ほぼリアルタイムで捉えられる画像の一般的な例としては、緊急対応の調整、損害評価の実施、森林や農業の監視、軍事作戦の遂行などが挙げられます。

ここで言う「ほぼリアルタイム」とは、アクティビティや事象が発生する直前から、そのアクティビティや事象が発生してから 2 ~ 3 日が経過したときまでの時間の範囲を指します。多くの場合、このような時間の範囲が、リアルタイムまたはほぼリアルタイムとして表現されます。これは、人々が対応している事象から、(時間的な意味で) ユーザー自身がどれだけ離れているかによって異なります。

緊急対応型の画像に関しては、その事象に影響する状況を観測する頻度を決めることが重要です。たとえばハリケーンの場合は、該当地域の画像を頻繁に撮影することで、ハリケーンの進路や速度の微妙な変化も検知できます。つまり、特定の場所の状況を確認することが、命や財産を守るうえで大きく役に立つのです。GIS の解析は、変化の様子を高頻度でサンプリングすることで、ハリケーン対策を支援しています。タイムリーに決定を下すことで、より大きな効果が見込めるためです。

災害準備と対応

このほぼリアルタイムの画像は、最終的には必要な部分だけが精選され、実用性のある情報として GIS 内で使用されるようになります。この写真は、2013 年オクラホマ州ムーアを直撃した竜巻の様子を示すものです。竜巻発生後 1 日以内に 6 インチの解像度で画像が撮影され、対応要員や市民向けにオンラインで公開されました。

山火事が発生しやすい地域の予測

米国の Forest Service and Fire Modeling Institute が作成したこの地図は、山火事のリスク評価や、広域な地形における燃料管理ニーズの優先順位設定に使用されており、 食い止めるのが困難な山火事が発生する相対的な可能性を示します。

GIS を利用した気象予報


気象学者が衛星画像を見るとき、彼らはただ現在の天気を見ているわけではありません。今後の天気の移り変わりにも目を向けています。気象学者は、現在の状況を分析できるだけでなく、次に何が起こるかも予測することができます。

降雪予報マップ

このマップは、NOAA (米国海洋大気庁) が提供する、米国の最新の降雪量予測を示します。今後 2 日間に、いつ、どこで、どのくらいの積雪量が見込まれるかがわかります。

米国の降水予報

このマップは、この後 72 時間に予測される降水量を示します。データは、アメリカ国立気象局が作成した National Digital Forecast Database から 1 時間おきに更新されます。データセットには、6 時間おきに取得された、増分と累計の降水データが格納されています。

異常気象の影響の文書化

米国史上最大の破壊力を持つハリケーン カトリーナに見舞われた地域は、復旧に 10 年以上もかかるすさまじい被害を受けました。ニュー オーリンズの 8 割が水浸しになりました。[Flooding] タブをクリックすると、カトリーナ直撃前のニュー オーリンズと、その後の様子を比較できます。

2015 年に竜巻がイリノイ州に直撃する前後の様子

ストーリー マップのスワイプ ツールを使用し、2015 年 4 月 9 日にイリノイ州フェアデールを襲った複数の竜巻による被害を見ることができます。

画像を通じて未来を見通す


気候と天気の予報

気候変動や海面上昇など、将来予想されている状況に対する効果的な対応は、今すぐ始める必要があります。考えうる結果や影響が起こるかなり前から備えておかなければなりません。GIS では、はるか遠い未来についても複雑なモデルを作成できるため、潜在的な影響をより的確に把握できます。

Living Atlas が提供する重要な天然資源情報で構成される地勢システム レイヤーには、さまざまな気候予測マップが含まれます。これは、オンラインで [Climate&Weather] ギャラリーにアクセスすると表示できます。

変化に満ちた世界の探索


地球が急激に変化していることは、疑いの余地もない事実です。21 世紀に生まれた人々は、数世代前に生まれた人たちに比べると、もっと短い期間でさらに大きな変化を体験することでしょう。画像や GIS を駆使することで、どのような影響が考えられるか、その状況を軽減するためにどのような方法を採ることができるかを理解し、共有できるようになります。

Atlas for a Changing Planet (変わりゆく地球の地図帳)

私たちの地球は変化に富んでいます。このストーリー マップでは、絶え間なく変わり続ける世界の、動的な側面を調査し、理解を深めることができます。また、画像を用いた分析力や解析力を明らかにします。画像は他の地理情報と統合され、地球の変化を実証することができるからです。

The King Tides Project: See the Future (キング タイド プロジェクト: 将来の予測)

キング タイドとは 1 年で最も潮位が高くなる大潮のことで、太陽と月が一列に並び、地球に最も接近したときに、潮の満ち引きが大きくなる現象です。市民科学者たちは、今後の海水位を予測し、海面上昇によるリスクとキング タイドによる影響を見ることができる画像を捉えています。

Connecticut’s Changing Landscape (コネチカット州の変わりゆく地形)

コネチカット大学は、1985 年から 2010 年までの 25 年間の土地利用を数値化し、理解を深めるため、リモート センシングで取得した画像を使用しました。

将来の予測

このデータセットには、6 時間おきに取得された、増分と累計の降水データが格納されています。ArcGIS Online マップでは、タイム アニメーション機能を有効にし、経時的な量 (増分的) または経時的な累積量 (累計) のどちらかのレイヤーを選択し、森林における 72 時間の降水のアニメーションを表示できます。

次世代のための計画

GIS では、複雑な時系列モデルを実行し、将来の状況をシミュレーションできます。これで、気候などの今後の動向の予測を立てられるようになります。このマップは、2050 年までの年間平均気温の推移を予測したものです。

ケース スタディ: NOAA による海面上昇予測


地球の将来的な海水位は、今後の意思決定に左右されるため、今はまだ予測できません。しかし、今後 100 年に起こることは、かなりよくわかっています。二酸化炭素の排出が明日ゼロになっても、海水位は少なくとも 3 フィート上昇するでしょう。また、現在のペースで排出量が増えていくと、6 フィート上昇します。これが近隣地域にどのような影響を及ぼすか、エンジニア、市の行政担当者、懸念を示している市民に理解してもらうため、NOAA の Office for Coastal Management は Sea Level Rise Impact Viewer を開発しました。これは、海面が上昇すると、沿岸地域がどのような状態になるかを画像を通じて予測するものです。

また、6 フィート上昇すると、マンハッタンのフルトン ストリートが海面下に沈みます。
海面が 4 フィート上昇すると、ニュージャージー州マンモス ビーチが破壊されます。

このデータ ビューアーは、海岸管理者、科学者、市民に、海面上昇や沿岸洪水の影響に関する予備概念を提供し、理解を促します。このビューアーは、全国的に一貫性のあるデータセットや分析結果を使用するスクリーニングレベルのツールです。複数の縮尺でデータやマップを操作して傾向を評価し、さまざまなシナリオにおける潜在的な対応を明確にできます。スライダーを使用すると、さまざまな場所で 1 フィート、2 フィート、最大 6 フィートまで海面が上昇したときの様子を視覚化できます。

タブを切り替えると、自然色の画像から土地利用の分類や社会経済的な脆弱性を表すレイヤーにマップを切り替えることができます。これで、海面下に沈む建物の視覚的なインパクトだけでなく、重要な背景情報も見ることができます。このアプリケーションは、湿地帯や沼地への影響に重点を置き、海面上昇による土地被覆の変化も予測します。

クイックスタート

時系列の画像を使用して調査された、実世界の問題の例を見てみましょう。


ヨーロッパの都市の気候変動予測を探索する

気候変動予測によると、今世紀中にヨーロッパの夏の熱波は頻度が増え、厳しくなることが見込まれています。つまり、数十年前からの流れがそのまま続くということです。最も深刻なのは、温度が高く、湿度も相対的に高い夜が増え、熱波が連日続くことによる影響です。

2015 年 4 月のカトマンズ地震の前、およびその後の航空写真を比較する

4 月 25 日、ネパールは大地震に見舞われました。地震発生の 2 日後にカトマンズ中心部を捉えた衛星画像を見ると、ネパール首都は大きな被害を被ったことがわかります。

アブラハム・リンカーンの死のストーリーにまつわるマップと画像を見る

2015 年 4 月、アブラハム・リンカーン暗殺から 150 年が経ちました。このマップでは、古地図や画像を通じてジョン・ウィルクス・ブースと共謀者たちの行動を再現します。

Learn ArcGIS のレッスン

時系列対応アプリで土地利用の変化を描く


過去 40 年にわたり、水産養殖業が成長を遂げてきたタイでは、土地利用に大幅な変化が見られました。エビ養殖場を造成するため、広大な土地に注水したことから、国全体、中でも沿岸地域で、デリケートな生態系が影響を受けました。環境保全と持続可能な土地利用を重視する非営利団体の GIS アナリストとして、バンコク南部のサムット ソンクラーム郡の過去の Landsat 画像を探し、環境の時系列の変化の様子を視覚的に再現しましょう。それを寄付者や投資家向けのプレゼンにまとめ、資金調達や沿岸地域の生態系回復に向けたプロモーションを行います。

このレッスンでは、サムット ソンクラーム郡の中でも環境保全を重点的に行う地域を特定するプレゼンテーションを作成します。Living Atlas Landsat アーカイブの中から、調査対象全域について 1970 年代から 10 年ごとに 1 枚の画像を取得します。画像を取得したら、マルチスペクトル データを解析し、植生、土地、水域を強調表示します。次に、ArcGIS Online のタイムアニメーション ツールを構成し、時系列アプリをカスタマイズして観測データを公開します。

アプリの表示

このレッスンで習得できるスキル:

  • LANDSAT 画像のマップへの追加
  • タイム アニメーションの有効化と構成
  • 履歴衛星画像のフィルタリング
  • バンド割り当ての変更
  • 時間対応 Web アプリの作成と共有
  • ArcGIS Online 組織サイトの公開者ロールまたは管理者ロール
  • 所要時間: 40 分
レッスンの開始

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Creating Mirror Worlds

Enabling a new dimension

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Managing imagery information is a big data challenge

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