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The ArcGIS Book: 第 8 章

画像は可視化された情報

地理学におけるロゼッタ ストーン

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GIS は直感的であり、認識力の高いものでもあります。このシステムは、強力な可視化とマッピングの機能を、高機能な解析およびモデリング ツールと組み合わせます。リモートセンシング センサーによる地球観測データ (GIS の世界では一般に画像と呼ばれます) は、GIS の心臓部にある最も信頼できる視覚的な参照情報です。これは、この惑星の機能と活動の謎を解く鍵となる、地理学におけるロゼッタ ストーンとも言うべきものです。上空から撮影された地球の写真を見ると、GIS の全体像が即座にわかります。

画像によって深まる理解

見ることは信じることだけでなく認識すること


地球観測ツールとしての画像の物語は、写真の撮影から始まりました。20 世紀の初期には、写真撮影は驚くべき変化を経て、社会に普及しました。写真は、人類が新たに利用できる視覚的表現を提供しただけでなく、認識の変化ももたらしました。カラー写真が広く使用されるようになりました。映画とテレビは、今日の姿に進化しました。人類が飛行機で空を飛ぶようになり、地球の写真を上空から初めて撮ることができるようになりました。それは、マッピングと観測の転換期で、まったく新しい地球の見方を提供しました。

第二次世界大戦: 偵察と情報収集

第二次世界大戦の時期は、画像を利用した情報収集が大きく進歩しました。連合軍は情報収集活動を強化するために、同一の対象地域を離れた位置から撮影した写真の取得を行うようになり、これらを組み合わせてステレオ写真ペアを生成しました。多くの諜報活動の 1 つであるクロスボー作戦では、飛行機のパイロットが敵地の写真を数千枚撮りました (飛行機は写真の収集のために大幅に改造され、武器を搭載する余地はありませんでした)。撮影したコレクションは、情報アナリストによって、数十万のステレオ写真のペアを解釈および解析する必要がありました。

これらの 3D 航空写真により、アナリストは、ドイツが開発し、カモフラージュしていたロケット テクノロジの場所を正確に特定することができました。これは、イギリスを狙うロケット システムを阻止する鍵となりました。その結果、数千名の命が救われ、第二次世界大戦の終結に貢献しました。BBC は、このテーマについて素晴らしいドキュメンタリーを制作しています (Operation Crossbow: How 3D glasses helped defeat Hitler)。

この 1943 年 6 月の写真は、実際に運用されている武器を公に晒した最初の写真です。長さ 40 フィートの 2 つの V2 ロケットが、(B) で寝かせた状態になっています。(C) の構造がプロトタイプの飛行爆弾のカタパルトであることが判明したのは 12 月でした。
ステレオ画像は、ナチスのロケット計画の施設を識別する手段でした。上の写真は、オフセット写真のペアを表示するのに使用されるステレオ眼鏡です。

1969 年: 宇宙飛行士の登場

人類初の月探索


1960 年代の初期には、大多数の人が、人類が月面を歩くことなど不可能だと言っていたでしょう。しかし、1969 年 7 月、月から地球に送られテレビ放送された画像は、Neil Armstrong と Buzz Aldrin が月面を飛び跳ねているところを映し、月面を歩くことが実際に可能であることを証明しました。それは、私達の目の前で起こったのです。見ることは信じることでした。

Armstrong、Aldrin、その後の月面探索の宇宙飛行士が地球を写真の背景にしたところ、予想もしなかったメリットが明らかになりました。人類は、この惑星にまったく新しい認識を持つようになったのです。地球の画像がこぞって使用されるようになりました (以下の「宇宙から見た地球」をご参照ください)。

1972 年 12 月、アポロ 17 号の宇宙飛行士は、宇宙から地球の象徴的な写真を撮影しました。有名な「Blue Marble」の写真です。この写真は人類にとって、地球という惑星そして宇宙における私たちの居場所を巡る新しい視点のきっかけとなりました。
アポロ 11 号のミッションで、宇宙飛行士の Buzz Aldrin は 1969 年 7 月に月面に降り立ちました。写真は宇宙飛行士の Neil Armstrong によるものです (Aldrin のフェイス シールドに映っています)。

1972 年: Landsat プログラム

地球をカバーする最初の衛星画像


1972 年、人類を月に運ぶために開発されたのと同じ宇宙技術により、最初の Landsat 衛星が打ち上げられました。Landsat ミッションは、私達自身の惑星に対して、驚くべき新たな視野をもたらしました。これは、画期的なシステムであり、民間主導で幅広く利用可能になった初めての衛星画像でした。世界中の電磁波の反射が制限なく利用できるようになり、地球上の見えるものだけでなく見えない情報も得られるようになりました。地球をまったく新しい方法で見ることができるようになったのです。

この永続的な地球観測プログラムは、他の数百の衛星やリモート センシング ミッションとともに、今日まで継続されています。さまざまな国や最近では民間企業も地球の画像を撮影するためミッションを数多く立ち上げ、常に観測および監視を行っています。

Landsat センサーは、1970 年代から、地球の写真を絶え間なく作成および共有してきました。科学者は早い段階から、新たに生み出される有益な認識から刺激を受けていました。今日では、非常に多くの衛星が毎日何千回も地球の画像を撮影し、地球に関する巨大で仮想的なイメージ カタログを作成しています。Web GIS は、私たちが直面している幅広い種類の問題や課題に対し、専門家がこれらの画像を活用して対処できるようにしてくれる地球の執事のような存在です。

私の家はどれ?

2005 年: GIS における人の時代の始まり


十数年前、世界中の人々は、上空からの地球の画像の力に突然目覚めたように思われます。まず、Google、Microsoft、その他の地図サービス企業がオンラインで提供する、複数の縮尺で表示可能な全世界の写真画像マップを利用し始めました。これらの衛星画像と航空写真を組み合わせた地球の写真により、世界中の人々が画像の力を実感し、GIS 専門家がすでに知っていたことを理解し始めました。私達はさっそく近隣地域を拡大し、世界の中で自分が住んでいる場所の位置的な情報を確かめました。この新しく登場した機能により人々は、自分たちの暮らす地域や隣近所をこの驚くべき新しい顕微鏡を通して調べることが可能になりました。当然ながら私たちは地域の探索だけにとどまらず、最終的には世界のあらゆる場所を調べるようになりました。その結果、地球に対する経験と考え方がまったく新しいものになりました。

これらの単純な写真は、人の創造力を喚起し、まったく新しい認識をもたらし、新しい可能性を想起させました。今日では、インターネットにアクセスできるほぼすべての人が、自分の近隣地域に目を向けて、まったく新しい方法で日々の世界を見ることができます。また、世界中の人々が、あらゆる種類のマップ レイヤーと画像を組み合わた力を実際に享受して、より豊かで意義のある理解を得ています。

ほぼ一夜にして、コンピューターにアクセスできるすべての人が GIS ユーザーになったのです。

最初は、自宅を拡大し、この新しいレンズを通して近所を探索しました。この経験は、世界中の人々が自分の世界での場所に対する理解を深める方法を変えました。私たちは、次に自分が知っている場所を訪問しました。今では、訪問先は、行ってみたいと思っている遠くの場所へと移っています。航空写真は、上空からの新しいコンテキストを提供し、人類の認識を完全に変えました。この「私の家はどれ?」アプリは、任意の縮尺で世界の画像を見る、シンプルなユーザー エクスペリエンスを提供します。

画像による認識の拡大

見えるもの、見えないもの、過去、未来を見る


見ることは信じることです。世界はカラフルな画像で観察したほうが、参考になりすぐに理解できます。視覚的に明らかな証拠を確認でき、新たな洞察も生まれます。画像が与える情報は、目で見てわかる情報をはるかに超えています。また、世界の現在の状態を教えてくれます。また、過去を調べたり、未来を予測したり、地球とそのプロセス、および人類の活動の影響と時間変化を認識し理解するための方法も提供してくれます。驚くべきことに、画像を利用することで、見えないものを確認したり、電磁スペクトル全体の反射エネルギーの視覚的表現を表示したり、地球とすべての生命体が直面する重大な問題について、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことができます。

気象とは、惑星の「雪と氷が呼吸する範囲」であり、すべての生命を支え維持する貴重な水を供給します。この画像は、北米大陸の降水の季節的な天気サイクルを示しています。

パターンを理解する

地球の画像は継続的に収集されており、世界が活動する様子を見ることができます。一定期間の画像を組み合わせることで、地球のサイクル、過去の状態、今後の状態を可視化、アニメーション化、解析、および理解し始めることができます。

目に見えないものを見る

画像を使用すると、人間の目では認識できないものを表示し、地球に関する新しい科学的知見を得ることができます。衛星には、電磁エネルギー スペクトルの赤外線エネルギーなど、見えない情報を計測するセンサーがあり、多くの新しい見え方で作成された地表のマップを作成および解析できます。

この北アフリカのフォルス カラー画像は、近赤外 (バンド 5) と短波赤外 (バンド 6) による、植物の水分が多い地帯と少ない地帯を示しています。暖色は、マップ内の乾燥した地帯を示しています。ストライプ パターンは、Landsat 8 のシーンのフットプリントを示しています。地球を周回し、約 16 日ごとにシーンの位置に戻ってきています。
AccuWeather から提供されているこのレーダーによる米国本土のレイヤーは、ほぼリアルタイムの降水量を示しています。これらのほぼリアルタイムの観測は、天気予報とともに、画像観測を使用して管理されています。

気象予報とレポート

過去 10 年の画像処理技術と気象観測の進歩により、気象予報の精度は劇的に向上しました。気候データを運用管理するために GIS と統合したことにより、農家、緊急対応チーム、学区、公共機関など多くの組織で役立っています。センサーの範囲は、地球規模の気象衛星から地上ベースの地域の観測機器にまで及び、専門家はかつてないほど気象に関する事象を監視および予測できます。センサー ネットワークは極めて高い密度で張り巡らされ、地域の気象災害を継続的に予測できるようになりました。今では、近隣の 1 時間先の正確な天気予報を利用できるようになりました。

目に見えないものを見る

画像を使用して、過去に遡ったり、現在の画像と履歴ビューを組み合わせることができます。画像は非常に単純な形式であるため、他のマップや画像と簡単にオーバーレイして、一種の多層化された「仮想サンドイッチ」を作成できます。

この独特のスパイグラス アプリは、サンフランシスコ市が、昔に存在していた海岸沿いの集落を越えて広がったことを示す様子を示しています。サンアンドレアス断層に沿って入江方向に拡張するために、建設エンジニアは、岩盤に約 200 フィートの杭を打ち込む独自の課題に取り組む必要がありました。

オピニオン リーダー: Lawrie Jordan

ArcGIS に組み込まれた完全な画像処理システム


GIS とリモート センシングは、常に特別な関係にありました。それは、現代の情報テクノロジの初期にまで遡ります。1960 年代と 1970 年代、GIS 用のコンピューター システムは、パンチ カードを使用した大型かつ高価でありながら非常に遅いメインフレームでした。しかし、これら初期のシステムの基盤となるほぼすべてのデータ レイヤーは、画像から直接的または間接的に取得していました。当初から、GIS とリモート センシングは、同じコインの裏表のように補完的な関係にありました。また、一緒に進化を遂げました。

1972 年、商用で最初の地球観測画像衛星である Landsat が打ち上げられるという革命が起こりました。この衛星は地球の軌道を周回し、16 日ごとに同じ地点の画像を撮影しました。衛星は非常に高い位置にあるため、この惑星とそのパターンについてまったく異なる写真を提供しました。これは、新しい視野だけでなく、GIS の将来性に対して新しいビジョンももたらしました。ここから商用の地球観測の革命が始まりました。これは現在も続いており、今では数百 (まもなく数千) の小型人工衛星、マイクロ人工衛星、宇宙からのビデオ カメラ、高空ドローンなどが、爆発的に増加しています。

GIS とリモート センシング、50 年を超えるこの 2 つの密接な関係は、次はどこに向かうのでしょうか。

まず現在、単純化と速度が大きく注目されています。未来は単純で高速な世界になることは明らかです。私たちの目の前にある最新のテクノロジは、世界中に分散配置されている驚くほど多くのセンサーを活用し、一般にモノのインターネットと呼ばれる、膨大に集積された動的でリアルタイムの情報ストリームを築いています。こうしたデータは Web GIS の中に取り込まれ、その心臓部となっています。さらに、このネットワークはリアル タイムで稼働しているため、「Internet of All My Things」などに対して、新しい地理情報モデルを通じて自分のデバイスからアクセスすることができます。

この概念を推進しているテクノロジは先進的なものですが、実際のところ私たちにも理解することができます。なぜなら私たちは写真のことを理解しているからです。アインシュタインの有名な言葉に「If I can’t see it, I can’t understand it. (見えないなら理解できない)」というものがあります。つまり、見ることさえできればすべて理解できるのです。

画像と空間解析を統合して急速に変化している現在のあらゆる発展は、GIS の歴史に新たな時代を築こうとしています。それと同時に、社会は地理が持つ力に目覚め、画像を利用することで何でも理解できるようになると直感的に理解し始めています。

未来のマップはインテリジェントな画像である、と私たちは表現しています。

Lawrie Jordan は Esri における画像およびリモート センシングのディレクターであり、 画像処理とリモート センシングの分野の先駆者です。
ビデオ: インテリジェントな画像がもたらす未来の地図

画像には実に多くの用途がある

さまざまな活用場面


今では、画像を使用することで、解決したい問題と世界について、まったく新しい認識と洞察を得ることができるのは明らかです。画像には、多くの利点や機能もあります。

新しい情報へほぼ毎日アクセス

画像コレクションは簡単で増え続けています。画像へのアクセスも、ますますスムーズになっています。すでに多くの人工衛星とセンサーが配置されていますが、その数は今も増え続けています。これらは、新しいデータを収集し、時系列に観測した地球のデータを継続的に追加しています。これらの画像コレクションにより、地球の表面またはその付近にあるほとんどのものをマッピング、計測、監視することができます。誰もが作業に必要なデータの多くを短時間で収集できます。画像は、他の惑星に「旅行」するときなどの探索のための主要な方法になりました。宇宙にプローブを送り、連続した時系列の情報観測データを提供するリターンを、主に画像の形式で受信します。これにより、興味深いさまざまな方法で新しい情報を取得できます。

過去を振り返る

航空写真を使用するようになったのは、比較的最近のことです。画像が使用され始めたのは 20 世紀からですが、画像コレクションに存在する、既存の時点の観測を比較するのは容易です。また、画像を古地図に重ね合わせて、現在と過去を比較することもできます。

画像データ コレクションは日々拡大している

画像による発見は爆発的に増えています。多くの画像イニシアチブは発展し、拡大しています。また、対象地域の画像データベースに追加されています。ArcGIS には、包括的な画像処理システムが含まれています。だからこそ、ますます大きくなり、ダイナミックに増え続けている地球の観測データを管理することができるのです。これは、画像の即時的な効果や、簡単な統合を可能にする能力を実現するものであり、たとえば、災害対応の前後を示すビュー、新しく収集した画像の即時調査、画像の解釈や分類、および情報を引き出す能力といった新しい使用用途や使用機会を提供することができます。これらの技術の多くは、注目を集めるような新しい方法で徐々に発展していくでしょう。私たちはそのような技術を利用して、私たちのコミュニティ、抱えている問題や課題、GIS を使用してこれらを解決に導く方法について深いレベルで学ぶことができるようになります。

強力な解析機能

画像とその一般的なラスター形式は、ArcGIS を使用して高度な解析を実現します。そしてこの解析から、解決しようとしている問題に対するより有意義な洞察と認識を得ることができます。

あらゆるデータをラスターに統合

GIS と画像処理の組み合わせによる相乗効果


画像にはさまざまなものがありますが、いずれもラスターと呼ばれる GIS において非常に重要で一般的なデータ形式を使用して格納されます。ラスターは、最も汎用性の高い GIS データ形式の 1 つです。ほぼすべてのデータ レイヤーは、ラスターとして使用できます。ラスターを使ってあらゆる種類のデータと画像を組み合わせれば、統合や解析を実現できることを意味しています。

有用な GIS データ レイヤーを管理するラスター形式

ラスターは、各種デジタル写真と同様、マッピングされたエリアにおいて、同一サイズのピクセルまたはセルが行列の形で配置されたデータ モデルを提供します。ラスターを使用すると、写真をピクセルの集合として表現したり、標高や選択したフィーチャの近接性などのサーフェス、各種フィーチャ (ポイント、ライン、エリア)、各期間ごとの状態を多数含んだ時系列情報を表現することができます。

分類表示された土地被覆と土地利用

西地中海周辺の土地被覆。これは MDA 情報システムから提供されている全地球規模のラスター データセットで、主要な土地特性を 30 メートル解像度で表しています。

水源までの距離

西アフリカの一部における、各セルまたはピクセルから信頼できる水源までの距離を示す近接性マップ。水源へのアクセスは、人間だけでなく野生動物にとっても重要です。距離グリッドの上に河川が重ね合わされています。グリッド内の水源から最も近いセルは、濃い青で表示されています。水源からの距離が遠くなるにつれて色が変化しています。

3 次元シーン

フランスとイタリアの国境に位置するアルプスのモンブランも、このアプリに含まれています (画像がリンクしています)。このアプリは、世界中の興味深い場所を 3D ツアーで見ることができます。

斜め画像写真

斜め撮影画像によって、現実世界の事物を特別な角度から見ることができます。詳細が 3D で自然に表示され、解釈や調査がしやすくなっています。

陰影起伏として表現された標高

陰影起伏として表示されたグローバルな標高です。これは、入手可能で最も品質の高いソースから編纂されたグローバルな標高レイヤーの一部です。

時系列情報

NASA GLDAS (Global Land Data Assimilation System) が提供する毎月の雪塊の観測データを示す時系列画像マップのスナップショットです。このマップには、2000 年から 2015 年までの各月の累積積雪量が含まれています。

画像は美しい

情報豊かであると同時に崇高


画像はまったく新しい認識をもたらし、私たちの理解の形成に大きな影響を与えてくれますが、その一方で画像は、世界の魅力あふれる姿を心から感動する美しい芸術作品として映し出す役割も果たしています。画像は、私たちを驚嘆させ、感情を揺さぶり、私たちの世界の驚異や、発見と探索を追い求める新世界を教えてくれます。米国地質調査所 (USGS) が Earth as Art のコレクションを保守しているのは偶然ではありません。

グリーンランドの西海岸沿いでは、小さな氷河地帯がバフィン湾を取り囲んでいます。
ヒマラヤ山脈東部の高くそびえる雪に覆われた山頂と尾根は、中国南西部の大河川の間に不規則な赤と青のパッチワークを形成しています。
雪に覆われたコリマ山は、メキシコで最も活発な火山で、ハリスコ州の周辺の地形から突然隆起しています。
ブラジルのネグロ川は、複数の水路が合流するアマゾン川最大の支流です。水路にモザイク状に見える、一部が水面下に隠れた島々は、雨期になって水位が上がると見えなくなります。
レナ川は世界最大の河川の 1 つです。Delta Reserve は、ロシアで最も広大な原生自然保護区です。この保護区は、シベリアに生息する多種多様な野生生物の繁殖地です。

宇宙から見た地球

1 つの画像の力


アポロ月面着陸において、アポロ 8 号は人類を月の軌道に運んだ最初のミッションでした。4 周目の軌道中だった 1968 年のクリスマス イブ、アポロ 8 号の船長 Frank Borman は、地球が月の端から現れたのを見て叫びました。「みんな見てくれ。地球が昇っているぞ。なんて美しい景色だ。」 同僚の宇宙飛行士の Bill Anders は Hasselblad のカメラで、今では有名になった月から昇る地球の画像を撮影しました。

Bill Anders の著作「Earthrise: How Man First Saw the Earth」で、歴史学者の Robert Poole は、この 1 枚の画像は環境運動の始まりを象徴するものになったと指摘しています。「地球が昇る画像は転換点を示したと考えてよいでしょう。宇宙時代の感覚が、宇宙にとっての意味から地球にとっての意味へと切り替わった瞬間です」 画像の力は、この 1 枚の写真の物語にまとめることができます。画像を使用すると、地球に対する理解を深め、変化を促進し、つながりを生むことができます。場合によってはムーブメントを起こすこともあります。

これは人類史上、最も多く複製され、誰もが見たことのある写真の 1 つです。米国郵便公社は、この画像を切手にしました。Time magazine は、表紙に採用しました。著名な自然写真家の Galen Rowell によると、これは、昔も今も変わらず「これまで撮影された中で最も影響力のある環境写真」です。

太陽系のマッピング

人類の探究心を反映した活動


最初に月の写真が撮影されて以来、世界の宇宙機関の宇宙飛行士は、カメラのレンズを地球から外にも向けてきました。多くの場合、GIS ユーザーは科学愛好家でもあるため、当然のように地球以外の惑星のマッピングにも取り組みました。NASA は 2015 年、火星を周回するセンサーから撮影されたマルチスペクトル画像が、火星で移動する水の存在を確認したことを世界に発表しました。これは、GIS と画像解析コミュニティにとって、忘れられない出来事でした。

火星に対する認識を変えたハイパースペクトル画像データの 3D ビジュアライゼーション。
このマップは、火星のドラマチックな地理とこの遥か遠く離れた赤い惑星での探査で人類が行ったすべての任務を図示しています。
2015 年 7 月 14 日、ニュー ホライズンズ惑星探査機は、30 億マイル、約 10 年の航行を経て、準惑星の冥王星の衛星であるカロンを探索した最初の宇宙船になりました。

クイックスタート


画像は、ArcGIS プラットフォーム全体に表示されます。以下に、その第一歩として使える 2 つの画像をご紹介します。

高解像度のグローバル ベースマップ

ArcGIS 画像やラベル付き衛星画像ベースマップは、毎月数十億回もアクセスされており、GIS プロジェクトに使われる背景マップとしては最も人気が高いものです。画像は、GIS データに背景情報を与え、検証を行うためのキャンバスです。

Living Atlas の画像ベースマップ
地形レイヤー

地形解析は、土地利用計画の大半、天然資源や環境との関係の管理の基礎となるものです。このグループの地形レイヤーは構成可能であり、人々や自然のシステム、動植物に関する膨大な数の測定にアクセスできます。これは、米国や世界各国の地形を定義するものです。

Living Atlas の地形レイヤー

Learn ArcGIS のレッスン

はじめての衛星画像


このレッスンでは、Landsat 画像とその用途を Esri の Landsat アプリで見ていきます。まず、バングラデシュのスンダルバンス マングローブ林をカラー赤外で確認し、植生の健康状態と土地被覆の様子を追跡します。次に、タクラマカン砂漠の水域や、モルディブの水没した島々を探索します。40 年もの年月をかけて蓄積された Landsat 画像を活用し、スエズ運河の開発における変化を追跡したら、次はぜひご自身の手で世界を再発見してください。

ビューの作成

衛星画像は、世界をマッピングし、可視化できるツールとして、ますます重要になっています。これほど広い地域を短い時間で網羅できる画像取得方法は他にありません。衛星画像プログラムとして最も長い歴史を誇るのは、アメリカの 2 つの政府機関の共同イニシアチブである Landsat です。その高品質なデータは、電磁スペクトル上の数多くの波長として捉えられたものです。人間の目では見えないような地物も際立たせることができるため、幅広く実用化されています。

このレッスンで習得できるスキル:

  • 画像のナビゲートと操作
  • スペクトル バンドの変更による地物の強調
  • 経時的変化の追跡
  • 独自のバンド割り当ての作成

必要なもの:

  • 所要時間: 15 分~ 30 分
レッスンの開始
AWS の Landsat
このアプリでは、Landsat 衛星画像で世界中を見ることができます。Landsat は地球の画像を撮影し、火山活動から都市のスプロール現象まで、さまざまな秘密を明らかにします。Landsat は、人間の目で見られるものも含め、電磁スペクトルとして画像を捉えます。異なるスペクトル バンドにより、常に変化を続ける、私たちの大切な地球に関する情報を得ることができます。

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アプリの力

業務を成功に導くさまざまなツール

Internet of Things のマッピング

世界中に張り巡らされたセンサーを利用する

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