ArcGIS ブック

ホーム 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 第 9 章 第 10 章 本書の概要 著作権 PDF ブック シリーズ
マイ プロフィール サイン アウト
ArcGIS ブック
章 PDF
ArcGIS ブック
サインイン
User Avatar
User Avatar  
マイ プロフィール サイン アウト
ブック シリーズ
The ArcGIS Book: 第 2 章

誰もができるマッピング

地図を作成、共有、利用する新たな方法

詳細を見る ↓

GIS は、ユーザーが地理情報を作成したり使用する方法を劇的に変えました。オンライン マップが基礎的なユーザー エクスペリエンスを形成し、作成の手段や共有および配信用のメカニズムとして機能します。対話形式の GIS マップは広く使用されるようになり、どこに行くときにも携帯されるようになりました。人々は、あらゆる種類のレイヤーをマップ内で組み合わた力を享受して、世界についてより豊かで意義のある視点を得ています。Web GIS によって、ほぼすべての人々がどこからでもマップにアクセスし、作業に導入できるようになりました。

GIS を変えるオンライン マッピング


マップは重要な意味を持っています。すべてのユーザーが、優れたマップを理解し、かつ高く評価します。GIS ユーザーは日常的にマップを作成し、マップで作業をしています。マップは、基本的な経験と、GIS アプリケーションの実用的なインターフェイスを提供します。また、マップは GIS ユーザーが組織内外の他のユーザーと作業内容を共有するための方法でもあります。マップは、分析的な側面と芸術的な側面の両方を兼ね備えているため、極めて重要な地理コンテンツです。普遍的な訴求力を持ち、世界に明確さと形状を与えます。マップを使うと、データを調査し、パターンの発見や解釈にも役立ちます。

オンライン GIS マップは、すべてのユーザーが Web GIS を使用して作成することができ、また、すべてのユーザーと共有することができます。GIS に活力をもたらすこれらのマップは、スマートフォンやタブレットを使って誰もがどこにでも持って行くことができます。オンライン マップは、コンピューティングや Web を大きく変えました。

確かに、従来の印刷されたマップが姿を消したわけではありません。これらのマップでは、問題や状況に関する広範な地理コンテンツをすばやく取得できるため、これからも重要であり続けるでしょう。品質の高い印刷形式のマップは、感動を与え、想像力を刺激してくれる真の芸術作品です。このように膨大な情報をこれほど効果的にかつ美しく伝達し、まとめている大判の書類は他に存在しません。GIS を使用するカートグラファーは、教訓や感動を与える驚異的な印刷マップの作成という作業を続けることでしょう。

これは今に始まったことではありません。印刷された大判のマップとそれらのデジタル版 (PDF など) は、多くのマッピング専門家たちのすぐれた制作物のうちで大きな部分を占め続けるでしょう。違いは、このような非常に高いレベルのカートグラフィを対象として GIS ツールが実用化されたことにあります。

一方で、オンライン マッピングの大規模な改革も行われており、その影響は広範囲に及びます。一般消費者向けのマップがスマートフォンや Web 上の至るところに存在することは誰もが知っています。マップベースのアプリケーションは、通常、スマートフォンやモバイル デバイス上で最もよく使用されるソフトウェアの 1 つです。オンライン マップによって、何百万の人々がマップの操作方法について理解を深めることができるようになりました。また、世界中にいる膨大な数の利用者が Web GIS を使用して、これまで以上に創意工夫をこらして各自の作業にマップを応用できるようになりました。

2015 年に、米国の地質調査部は、これまでにないほどに詳細にわたる、グローバルなエコシステム マップを新たに公開しました。これは、約 4,000 種類もの生態学的エリアのモザイクです。このモザイクは生態学的土地単位 (ELU) と呼ばれ、エコシステムの構成を知るための鍵を握っています。

GIS マップは、用途によって利用者の心をとらえます

作成したマップは保存し、オンラインで共有することができます。特定のユーザーや、期待される用途で活用することができます。オンライン マップはインターフェイスを備えており、各マップに対して、アプリと呼ばれるユーザー エクスペリエンス (UX) が提供されます。ArcGIS プラットフォームでは、目的を持つマップやアプリの設計や実装を行うための幅広いオプションが、ユーザー (本書を読んでいる方、Learn ArcGIS 組織のメンバーになった方) に与えられます。重要なユーザーと関与できる可能性は計り知れません。

この物語形式の複数のマップは、第二次世界大戦時の日系アメリカ人のストーリーをまとめたものです。1982 年、米国政府はようやく「...これはそもそもの過ちを犯した苦い歴史だ。悪行の根拠や証拠がないにもかかわらず、自国の大義や自由の権利に対する市民の献身を、アメリカが遵守できなかったことだ」と認めました。

進化を続ける地図作成


人類最古の時代から、地図は視覚的表現を使って地理データを保存し、伝達する手段として活用されてきました。そのため、地図は私たちの創造的、および論理的な思考にも影響を及ぼします。地図は芸術的でありながら、場所を中心に論理的に整理されています。

最も効果的なマップは、その根底にあるデータの潜在性を完全に引き出します。このページで紹介する例の制作者たちは、土地所有や避難場所の知識をデータとして考えていたわけではないと思いますが、この情報は地図上で捉えるのに十分な価値があります。これは主に最新のデジタル インタラクティブ マップに関するブックですが、優れたマップは、何世紀にもわたって進化を続けてきた情報設計の原則を取り入れていることを認識することは、実用的であるとともに、感動的でもあります。

これは 2,500 年前の古都バビロンで制作された粘土の地図で、2 つの丘の間にある川谷に土地区画があることを示しています。その碑文によると、12 ヘクタールの区画の所有者は Azala という人物だったようです。
1584 年に制作されたこの地図はポルトガルの沿岸を示すもので、船乗りにとって貴重な地理情報が満載です (航路や港の位置など)。このような航海地図が制作されたのは初めてのことで、商業的にも大きな成功を収めました。現代の船員は、より正確 (かつ最新) の情報を備えていますが、この地図が提供する重要な情報を今でも参考にしており、その芸術的な美しさの真価を認めています。

オンライン マップも、印刷された地図と同じように、感情を揺さぶるような、視覚的な魅力を備えています。対象ユーザーを考慮したうえで、情報を空間的に、綿密に表現するという昔ながらの考え方は、地理のストーリーテリングを行う人々の指針ともいうべき哲学です。

マップが効果を発揮するのは、斬新な観点や視点を明確にして磨きをかけ、浮き彫りにし、興味を引き、刺激を与え、活性化するような方法で地理情報を表現できたときです。

昼間人口のパターンを表すこのマップが奏功しているのは、(A) 関連する複数のデータセットを単純に伝えている (在宅者の昼間人口よりも労働者の方が多い)、(B) 米国全土をマルチスケールに網羅する、(C) インタラクティブであり、クリックすることで詳しい情報を表示できる、(D) 明るいスポット色を効果的に用いて、控えめでありながら読みやすいベースマップに表示している、といった理由があります。
マタヌスカスシトナ湾の地形は入り組んでおり、小川、河川、湖が密集しています。このマップでは、重要な技術を利用しながら、このエリアの驚くべき全体図を表します。

GIS マップが効果的な理由


GIS マップが効果的なのは、実際の人々にとって重要な意味を持つ情報を伝えるからです。ここで紹介するすべての例では、その主題となっているものに命を吹き込み、浮き彫りにし、活性化し、興味を引き、磨きをかけています。

主題となっているものに命を吹き込み、浮き彫りにし、活性化し、興味を引き、磨きをかける GIS マップの例。

オピニオン リーダー: Scott Morehouse

地図と地理科学により、新たな対話が生まれる


人間は視覚で学び、直感的に地図に引き付けられるようです。地図を見るとパターンや関係性、状況を即座に捉えることができます。地図は私たちの世界の豊富なコンテンツを整理し、表示するだけではありません。未来を理解し、予測し、設計するための、独自のコンテキスト フレームワークも提供します。

GIS には、さまざまな種類のデータを統合する素晴らしい能力があります。空間位置およびデジタル マップ オーバーレイを使用して、私たちの世界のコンテンツを統合し、解析して、あらゆる種類のデータの関係を明らかにします。地図やデータは GIS の基礎となり、情報を個々のレイヤーに整理して視覚化、解析、組み合わせて、データに意味を見出します。この組み合わせによりパワフルな解析技術が生まれ、地図や他の地理的外観を使用してコミュニケーションを容易にする信頼性の高い科学的技術が実現しています。

オンライン マップは、GIS で作業し、GIS から答えを得るためのユーザー エクスペリエンスを提供します。マップは豊富な情報を得るきっかけになるのです。マップを開くと、あらゆる関連情報を引き出すことができます。さらに、新しい情報レイヤーを生成する解析機能も提供し、さまざまな質問に回答することができます。

本書を読み進めると、マップには 2D と 3D があること、情報を経時的にアニメーション化できることがわかります。数々のソースから新しいレイヤーを追加できるため、新しい観点から物事を見たり、対処しようとしている問題や課題についての理解を深めたりすることができます。

マップが特に重要な役割を担っているのは、関与や対話のプラットフォームとなっていることでしょう。これによって、さまざまな視点を得たり、他のユーザーの観点を理解したり、人類が直面している多数の問題や、私たちが関心を寄せている物事への答えを見出したりできます。これは、私たちが力を合わせる価値がある目標です。

Scott Morehouse は、1981 年以来、Esri の商用 GIS ソフトウェアのビジョンを率先し、その構築の活動をまとめてきました。Scott と彼の同僚は、早期の GIS 概念をさまざまな製品リリースへと変え、マッピングの役割に大きな改革をもたらしてきました。
Modern GIS is transforming mapping (英語)

GIS マップの役割

本質的に Web マップはシンプルです


Web マップは、ArcGIS によって作成されたオンライン マップであり、レイヤーとして編成された地理コンテンツを対話的に操作する手段になります。これらのマップは、Web 上およびスマートフォンやタブレットを通じて組織の内外で共有されます。各マップには、一連の付加的データ レイヤーとともに参照ベースマップが含まれ、さらに、これらのレイヤーに作用するツールが含まれています。これらのツールは、「ユーザーがマップ上をクリックするとポップアップ ウィンドウを開く」などの簡単な機能や、「空間解析を実行する」、「米国全土のあらゆる郡の農作物の生産について伝える」などのより複雑な機能も実行できます。

本質的に GIS マップはシンプルです。はじめにベースマップを使用し、それを自分独自のデータ レイヤーや他の ArcGIS ユーザーのデータ レイヤーとマッシュ アップします。次に、自分のマップで他のユーザーに実行してほしい機能 (ストーリーの伝達、解析調査の実行、現場でのデータの収集、操作の監視と管理) をサポートするツールを追加します。

マップは GIS の配置を示す

GIS で実行するほぼすべての作業を、マップを使用して共有することができます。しかも、それらの Web マップはどこにでも持って行くことができます。GIS マップは、あらゆる種類のスマートフォンで、対応している GIS 作業とともにオンラインで機能し、いつでもアクセスすることができます。

マップは、ユーザーが ArcGIS をいかに使用して応用するかを表し、Web ブラウザー、スマートフォンやタブレット、ArcGIS Pro などのデスクトップ アプリケーションなど、あらゆる場所で使用できます。これは、米国の各郡で収穫された穀物に関する、情報豊かな全国的なデータセットを表す Web マップです。このマップを手掛かりにして、ストーリー マップやモバイル対応アプリなど、他の情報成果を得ることができます。

マップの作成と共有

簡単な 5 つのステップ


誰もが Web マップを作成、共有、使用できます。まずは、簡単な例を体験してみましょう。サンディエゴ市の食事、建築、およびデザインの各目的地を探索できるようにするマップを作成すると仮定します。

ステップ 1
ベースマップの選択

ベースマップを選択し、対象となるエリアにズームします。

ステップ 2
データ レイヤーの追加

データ レイヤーを追加し、各レイヤーのシンボル化および表示方法を指定します。

ステップ 2
ポップアップの構成

クリックするとフィーチャを探索できるよう、ポップアップを作成します。

ステップ 2
Web マップとして保存

マップに詳しい説明と意味のある名前を付けて、[マイ コンテンツ] フォルダーに保存します。

ステップ 2
ストーリー マップなど、アプリとして提供

ストーリー マップや、その他の構成可能な Web アプリとしてストーリー マップを共有します。

ArcGIS のベースマップと操作レイヤー


デジタル マップ マッシュアップの概念、すなわち、多様な地理レイヤーを再度組み合わせることで、最新のカートグラフィを強化することができます。デジタル コンテンツを容易に共有して転用できるため、単独で作業したり、最初からやり直したりする必要があるとしても、考えられるよりもはるかに多くの意欲的なマップに各自が取り組むことができるようになりました。マップのマッシュアップの増加によりカートグラフィの利用が増大し、結果として、誰もが他のユーザーの制作物を基盤にすることができます。ArcGIS 内で毎日作成および共有される何千ものマップの大半、つまり、大規模コミュニティのデータ、仕事、見識を基盤に作成されるマップは、このようにして作られています。この共同 GIS の時代では、市民がかつてないほどマッピングに日常的に関与できるようになっています。

はじまりはベースマップから

ArcGIS では、専門的に作成された一連の美しいベースマップにマップ作成者が容易にアクセスできます。これらのベースマップはストーリーの伝達の基盤となるデジタル キャンバスを提供します。Esri のベースマップにはそれぞれ、テーマ、つまり関心の対象があります。これらのテーマの種類は、ほぼすべてのマップ タイプのニーズを満たします。地形、海洋、道路、そしてその他の多彩なテーマのどれであっても、適切なベースマップはユーザーの主題を補完し、地理コンテンツ (位置、フィーチャ、ラベル) を設定する際に不可欠な背景情報を提供します。詳細な建物のフットプリントから惑星全体に至るまでの地理縮尺をカバーするさまざまなズーム レベルで、ArcGIS のベースマップにはそれぞれ高精度の最新情報が格納されています。このような詳細レベルで、地球上のすべての位置に関するデータを提供するには、かなりの数のカートグラファーを必要とし、数テラバイトものデータを消費します。幸いなことに、誰もが直ちにこれらの成果の力を借りることができるのです。ここで紹介するベースマップのように、特によく使われているものは、毎週数十億回も閲覧されています。

ArcGIS には、世界を複数のカートグラフィック形式で表示する、一連のベースマップがあります。この 3 つの例は、夜の街並みテーマ (上)、海のベースマップ (中央)、ラベル付き画像 (下) を示すもので、中でも特によく使われているベースマップです。

操作レイヤー

ベースマップはシンプルで比較的目立たないように見えますが、これこそがまさにベースマップの目的です。ベースマップは、その上にオーバーレイされるコンテンツに対して、位置的なコンテキスト (ステージ) を提供します。操作レイヤーのオーバーレイはマップの主題を伝え、マップを作成する目的を与えます。レイヤーは、緊急時対応、会社の月間売上、平均寿命、油井や天然ガス井の場所、リアルタイムの交通状況など、あらゆるものについて作成できます。優れたベースマップを 1 つ以上の操作レイヤーとマージすることで、最新のオンライン マップの心臓部が形成されます。

Living Atlas of the World

一部のマップ作成者は、独自のデータのマッピングに関心があるデータ作成者です。しかし、それ以外の多くのマップ作成者は、操作レイヤーを見つける際にサポートを必要とします。つまり、何をマッピングするかはわかっているのですが、詳細にストーリーを伝えるデータを探し出す際のガイドが必要なのです。幸いにも、ArcGIS では、操作レイヤーとして使用するための数々のコンテンツにアクセスできます。Esri を含む GIS コミュニティは、ArcGIS ですぐに使用できる信頼性の高いデータセットを数千件も編集して共有しています。これらのデータセットは、過去の国勢調査データから、オンラインのセンサー ネットワークや驚くような地球観測から得られた環境条件に至るまで、あらゆる情報をカバーしています。これはすべて、Living Atlas of the World にあるのです。詳しくは、第 4 章をご参照ください。マッピング可能な興味深い地理レイヤーは、これまで以上に簡単に見つけられるようになりました。

すぐに使用できるベースマップ、操作レイヤー、および統計グラフをオンラインの動的マップに一体化することで、シンプルかつ簡潔な方法で地理コンテンツを共有できます。

オレゴン州ポートランドで、過去 10 年間にわたって発生した交通事故 (死亡、重傷) の微妙な空間パターンを、スプレッドシートで読み解くことを想像してみてください。これには誰もがうんざりとしてしまうでしょう。それに比べて、まさに同じデータを示すマップは、トレーニングをほとんど受けなくても、見てすぐに理解することができます。これこそが Web マップの威力です。

Web マップのプロパティ


連続的でマルチスケール

Web マップは複数の縮尺で機能します。拡大表示して、さらに詳細を表示し、理解を深めることができます。オンライン マップでは、境目のない画面移動とズームを行えます。実際にエッジがないため、どこでも画面移動したり、ズームして詳細を見たりすることができます。特定の領域を表す操作データがない場合でも、ベースマップにより、引き続き基準が提供されます。

この Web マップには、世界の Open Street Map (OSM) ベースマップがあります。画面移動して、地球上の任意のスポットにズームすると、そのスケールに適した解像度のレベルと詳細レベルがわかります。

ポップアップ

Web マップは多様な情報への窓口です。マップ上の位置をクリックすると、レポートが「ポップアップ」表示され、その位置の背景情報を調べることができます。ポップアップを使うと、マップにオンデマンドで詳細情報を表示することができます。マップの中の 1 つのウィンドウは、チャート、画像、マルチメディア ファイル、他の解析を含め、大量の関連情報への窓口になります。このように多種多様なコンテンツをマップにリンクできる機能は、マップについての私たちの考え方を変えました。マップは、データの静的なコンテナーから動的な情報の船へと進化したのです。

最適なポップアップは複雑である必要はありません。実際、「World of Cheese (チーズの世界)」に関するこのストーリー マップ内に設計されているもののようにシンプルで情報を提供するポップアップが効果的です。このポップアップは、マップ作成者がそのフィーチャについてユーザーに知っておいてほしいことを具体的に伝えているからです。

リアルタイム フィード

ユーザーのオンライン マップは、もう静的ではありません。レイヤーはオンラインで最新の最高精度の情報を含めることができるため、オンライン マップは簡単かつ即座に更新できます。データが変更されると、そのレイヤーを参照するマップも更新されます。

このマップは、米国、カナダ、メキシコにおける交通を表すライブフィード レイヤーを示しています。

マッシュアップの文化

ユーザーのマップでは、独自のデータよりも多くのデータを結合できます。ユーザーの多様な GIS データと他のユーザーからの情報をマッシュアップできます。実際に、世界中の GIS ユーザーから提供され、ユーザーの目標にとって有益で関係があるデータなら何であれ、マッシュアップできます。

このシンプルな Web マップは、有名コーヒー会社のサンフランシスコのアウトレットの場所をマッシュアップしたものです。

スマート マップを学ぶ


世界はデータに満ちています。そして、マップは、ユーザーがデータを理解する助けになります。地理データを説得力のあるマップに変えるニーズがますます高まっています。すべてのユーザーは、美しい対話形式のマップとインフォグラフィックスを、ライブ データを使用して、容易に、かつ自信を持って作成したいと望んでいます。 スマート マッピングのミッションは、ある種の強力な「カートグラフィック人工知能」を提供することです。これは、ほぼすべてのユーザーが、最低限のマッピング知識またはソフトウェア スキルでほんの数分以内にプロの品質のマップを目視で解析し、作成し、共有することを可能にします。

スマート マッピングは、視覚的に満足のいく、効果的なマップをすばやく作成できる自信と能力を ArcGIS ユーザーに提供することを目的としています。カートグラフィックの専門知識は ArcGIS の中へ「焼き固められ」ています。つまり、ArcGIS を使用する際の基礎的なユーザー エクスペリエンスの一部となっています。目の前に表示される結果のマップは、データ自体の特性、作成するマップの種類、および伝えるストーリーの種類によって決定されます。

スマート マッピングでは、マップの背後にあるデータと相互作用し、解釈することができます。このクイックガイドでは、スマート マッピング内でヒート マップを使用してポイント データを効果的に解析する、迅速かつ簡単な方法をご紹介します。

調整が可能と思われるすべての設定や選択肢からあいまいさをなくすことで、最初に生成されるマップは、カートグラフィ面で適切、かつ美しい外観になります。経験を積むほど、ユーザーは常に思いのままに状態を変更できるようになりますが、スマート マッピングでは、あっという間に効果的な状態を達成できます。自分の目的を満たすためにマップを繰り返し処理したり、マップを 1 箇所に集めたりするのに費やす時間が少なくなります。

空間データ探索

スマート マッピングにおいて非常に重要な能力として、データ レイヤーをインタラクティブに探索できる機能がアップしたことが挙げられます。たとえば、平均収入のヒストグラムと相互作用することで、マップ内の各ブロック グループ内の平均世帯収入の範囲を探索できます。各マップ レイヤーの背後にあるデータと相互作用できると、答えを探している質問に対して深い洞察を得ることができます。

マップ設計の基本

ストーリーに利用者の関心を引き付ける


マップは対話形式の、恩恵をもたらしてくれる体験であって、単なるきれいな画像ではないのです。特に価値のあるマップは、最初に一目見たときから視覚的に興味を引き付けられる情報成果です。マップを探索し、相互作用する中で、さらなる情報も提供してくれます。マップにタッチすると、マップは、タッチしたアイテムについて詳細を表示することで応答します。お店にタッチすると、過去 3 年間の売上のチャートとともに、現在までの今年の売上がマップに示されます。

そうはいっても、優れたマップは自動的には現れません。皆さん自身も少し努力する必要があります。これは素晴らしい履歴書と似ています。履歴書を作成するにはまずテンプレートを使用しますが、目を引く履歴書を作成するためには、自分の情報 (データ) と、その情報を印象付けるための解釈が必要になります。マッピングしているデータは、ユーザーの助けなしではストーリーを伝えません。パターンがマップに現れるのを確認したら、すぐに重要な情報を強調し、それ以外のすべての情報は控えめにことができます。

常に、「美しい」マップを作成するよう努めてください。と言うのは、効果的なマップは、最初に開いた時点で明確なものであるとともに、すべてのレベルのユーザーにもっと掘り下げたい、探索したい、調査したい、学習したいと思わせるものなのです。

まず最終的な結果を念頭に置いて、遡って作業を行います。1960 年代の GIS の創始者の一人である Roger Tomlinson の言葉を借りると、GIS から得られる情報を知らなければ、GIS にどのような情報を入れるべきかがわかりません。やみくもにクリックしても、明確な解決策を得ることはできません。データについて、どのようなストーリーを伝えたいのかをはっきりさせておきましょう。そのうえで、テスト データで試してみてください。

Make a Better Map: How to map counts and percents together (英語)
これは、世界で夜間照明が点灯している場所 (青) または消灯した場所 (マゼンタ) を表すストーリー マップです。ここでは、東南アジアとインド亜大陸を示します。

ArcGIS Pro: カートグラファーの主力ツール


ArcGIS Pro は、本格的な地図製作者が優れたマップを作成できる機能を提供します。これには、専門のカートグラファーが採用している、高度に洗練されたマッピング ワークフローのサポートも含まれます。ArcGIS Pro には多様なデータを編集できるツールが付属しています。そのツールの目的は、数多くの出版形式からデータをインポートすることと、このようなデータを独自のデータと統合して、印刷されたマップとオンライン マップの両方に整合性のある高精度の美しいカートグラフィック製品を作成することです。ArcGIS Pro は、本格的なの 2D と 3D のカートグラフィック制作に欠かすことのできないアプリケーションで、世界中の膨大な数の GIS ユーザーによって日常的に使われています。この最新アプリケーションは、従来の優れたマッピングに、高度な 3D シーンなどの拡張機能を付加しています。

以下に示す Swisstopo のマップは、この 1 世紀の間に何世代ものスイスのカートグラファーが特徴的な描画やテキスト形式を進化させてきたものです。これは、3D の地形図を紙に表現するベンチマークとして広く知られています。今では ArcGIS Pro のようなツールを利用して、同じ成果をコンピューターでもあげています。

Swisstopo は、スイスの国立マッピング機関である Swiss Federal Office of Topography (スイス連邦国土地理局) の正式名称です。スイス国内には数多くの山があるので、「Swiss Hillshade」のような多数の伝統的なカートグラフィック技術がスイスで開発されたことは驚くには当たりません。
カートグラフのシンボルとスタイル
色とスキーマの仕様の高度で芸術的な使用
属性によるマップのラベリング
芸術的なテレイン

三次元、四次元でのマッピング


優れたカートグラフィは、当然のことながらコンピューターよりも前に生まれていましたが、三次元 (垂直)、四次元 (時間的) でのマッピングについては、デジタル時代に大きく花開きました。ArcGIS Pro では、現在の空間的ストーリーテラーが、3D および 4D (あるいは時間) にマップを拡張できるツールを用意しています。

エベレストのベース キャンプから、8,848 メートルの山頂までの一般的な登山ルートのマッピング。
ArcGIS Pro のアニメーション ツールを使用すると、交通パターンも活気づきます。
E.S. Glover の有名なイラストに着想したこの 3D アニメーションは、1800 年代後半のロサンゼルス盆地の様子を表します。これは ArcGIS Pro のみで作成されました。

クイックスタート


「Maps We Love」Web サイトにある精選された模範的なカートグラフィを使用して、現在のマッピング技術から創造的刺激を受け知識を習得してください。

何が良質なマップを作り出すのでしょう? どうすればユーザーの注意をマップに引き付けることができるのでしょう? 予想外の見識や人の心をとらえる魅力を備えるマップはどのようにして作成するのでしょうか? Esri では、これらの質問に答えてくれる場所を提供しようと取り組んできました。それが「Maps We Love」です。

Maps We Love は、ArcGIS で可能な作業の中から最高の事例をユーザーに示す、進行中のプロジェクトです。ここは、ユーザーのデータを素晴らしいマップに変えるために必要な創造的刺激、アイデア、情報を得るための場所です。これらのトピックについてさらに掘り下げた考察が可能になるように、「重要なステップ」を舞台裏から見ることができ、さらにリソース (多数のリンク) が提供されています。Maps We Love は、マップ作成をわかりやすく説明して、ユーザーが自分で美しく効果的なマップを作成できることを確信できるように設計されています。

このガイドはストーリー マップとして提供されるもので、スマート マッピングの内容、この特殊機能を使ってみる方法をご紹介します。
Maps We Love をもっと見る
ロサンゼルス市街の清掃度
200 年分のオランダの土地台帳
Maps We Love をもっと見る

前の章

次の章

GIS は世界共通の視覚言語

世界に対する理解に変化をもたらす

地図で伝えるストーリー

ストーリー マップで人々に伝え、興味を引き、ひらめきを与える

対話型 PDF のダウンロード​ 印刷版の購入​ Instructional Guide PDF のダウンロード​ ブック シリーズの検索​

ArcGIS ブック
  • ホーム
  • 章
  • 本書の概要
  • 著作権
  • ブック シリーズ
ArcGIS
  • ArcGIS Online
  • ArcGIS Pro
  • ArcGIS Enterprise
  • ArcGIS Developer
  • ArcGIS Solutions
  • ArcGIS Marketplace
Esri について
  • 会社概要
  • 採用情報
  • Esri ブログ​
  • Esri User Conference
  • Developer Summit
ご意見・ご感想をお寄せください.

© Copyright 2021 Environmental Systems Research Institute, Inc. | 個人情報保護方針 | 法的情報

上